ラムズイヤーは近年、香りの良いハーブとして、生花や乾燥させたドライフラワーをクラフトなどで使われたりしています。
また寄せ植えやグランドカバーとしても使われている人気のあるハーブです。
花も可愛らしく、葉も特徴的なラムズイヤーを自宅で育ててみたいと考える方も少なくないようです。
今回はラムズイヤーとはどのような植物なのか、基本的な育て方や増やし方、剪定の方法などについて詳しくご紹介します。
ラムズイヤーとは
ラムズイヤーはトルコやイランなどの温帯・亜熱帯地域が原産のシソ科の植物です。
多年草で和名は「ワタチョロギ」といいます。
葉は楕円形で、表面がザラザラとして銀〜乳白色の毛で覆われています。
この毛が羊の毛に似ていることから「ラムズイヤー(羊の耳)」という名前が付けられました。
初夏に葉の中心部から茎がスラーっと真っ直ぐに伸び、淡い紫〜ピンク色の花を咲かせます。
草丈は30〜100cmほどで、横にも30〜60cmほど成長します。
寒さにはやや強く、暑さにはやや弱い性質で高温多湿を苦手とします。
ラムズイヤーの育て方
ラムズイヤーは、種や苗で売っているのでどちらからでも育てることができます。
風通しと水はけの良い場所そして日向を好みます。しかし、高温多湿は苦手なので、真夏に木陰になる場所や半日陰の涼しいところに植えるのが良いでしょう。
梅雨の時期は雨の当たらない軒下などがオススメです。
酸性の土壌が苦手なラムズイヤーは、市販のハーブ用培養土を使うか、赤玉土:腐葉土:軽石を6:3:1の割合で混ぜた土で育てます。
庭へ植え付ける場合は、植え付けの2週間前に苦土石灰を混ぜ込み、植え付けの1週間前に堆肥や腐葉土を混ぜると良いでしょう。
水やりは鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷり水をやり乾かし気味に育てます。庭植えの場合は、根が張ったあとは自然の雨だけでほぼ大丈夫です。
肥料は元肥として緩効性の化成肥料を混ぜておきます。その後鉢植えの場合は、3月下旬〜5月に液体肥料を与えましょう。庭植えの場合は追肥は不要です。
ラムズイヤーの植え付けや植え替えは、3月上旬〜5月下旬または9月中旬〜10月下旬におこなうのが最適です。
鉢植えで育てている場合は、根がいっぱいになったら株分けして植え替えをするようにしましょう。
庭植えの場合は、3〜4年ほどで株が混みあってしまい蒸れやすくなるので、株分けを兼ねて植え替えをするのがオススメです。
ラムズイヤーの増やし方!種まきの時期は?
ラムズイヤーを増やしたい時には、種まき、株分け、挿し木で増やすことができます。
種まきは、元々ラムズイヤーを植えている場合は花茎が枯れてきた頃に種が熟すので、その頃に花茎を切って乾燥させましょう。
紙袋などを被せておくと、ぽろぽろと下に落ちないので収穫しやすくなります。
3〜5月または9〜10月が種まきに適した時期とされており、涼しい地域だと春に種をまいた方がよく育ちます。
育苗ポットやジフィーポットに用土を入れ、中心に穴をあけて種を数粒まきます。
しばらくは土が乾かないように注意しながら水やりを行いましょう。
本葉が2〜3枚出てきたら間引きを行い、5〜6枚ほどになったら鉢や庭に植え替えます。
種を収穫してからすぐにはまかないという時は、茶封筒にラムズイヤーの種を入れ、冷蔵庫の野菜室などで保管しておきましょう。
つづいて、株分けは3〜5月または9〜10月に行います。
茎と地下茎を切り株を分けて植え付けましょう。分ける時には、それぞれの株に新芽や地下茎が同じくらいつくようにすると失敗が少なくなります。
失敗しない剪定や挿し木の方法
ラムズイヤーは密集させたまま育ててしまうと蒸れて病害虫の原因となってしまいます。
そうならないために、3〜6月そして9〜10月には剪定を行うようにしましょう。
ラムズイヤーを観察し、混み合っている部分の葉や茎を剪定します。
先終わった花も収穫を兼ねて花茎の根元から切ると風通しが良くなります。
剪定でカットした茎などはリースやドライフラワーとして使うこともできますが、挿し木を行い増やすこともできます。
挿し木はラムズイヤーの剪定でカットした比較的元気な茎を使うようにしましょう。先端から5〜10cmほどの長さにカットすると挿し木がやりやすくなります。
次に、先端の葉を3〜5枚だけ残し他の葉をすべて取りましょう。
30分ほど水につけて水を吸わせ、切り口を斜めにカットします。
用土に茎を挿し水やりをしっかり行い、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。
挿し木をしてから約1ヶ月ほどで根が生え本葉が増えてきたら庭や鉢に植え替えましょう。
まとめ
ラムズイヤーは、食用としてではなくリースやドライフラワーに使われたり、寄せ植えやグランドカバーなどとしても使われることの多いハーブです。
ふわふわとした葉が特徴的で可愛らしいラムズイヤーは、比較的育てやすく庭植えで育てると尚更手をあまりかけずに育てることができます。
剪定で刈り取った茎はドライフラワーにしたり、挿し木にも使うことができます。
難易度も低めのハーブですので、ぜひ育ててみてください。
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