ラベンダーというと、北海道の「富良野のラベンダー畑」が有名ですよね。
ホームセンターなどでもラベンダーの苗をよく見かけるかもしれません。
一言でラベンダーといっても、様々な品種や系統があるのは知っていましたか。系統によって、栽培方法や管理方法も変わってくるんですよ。
今回は、イングリッシュラベンダーとフレンチラベンダーの違いについて、またそれぞれの特徴や見分け方などを詳しくご紹介します。
イングリッシュラベンダーとフレンチラベンダーは違う?
ラベンダーというと、有名な品種にはイングリッシュラベンダーとフレンチラベンダーがありよく比較されます。
しかしこの2種類は、同じシソ科ラベンダー属のラベンダーではあるものの、全く違う系統のものなんです。
まず、イングリッシュラベンダーはアングスティフォリア系のラベンダーです。
ラベンダーの中でも日本での流通量が多く、主流となっています。
細く華奢な茎の先に、たくさんのつぶつぶを固めたような花穂をもっています。
香りが良いことでもよく知られていて、香料としてよく利用されているんですよ。また、取れる精油の量が多いのも特徴的です。
ハーブとして昔から愛用されているのは、このイングリッシュラベンダーです。
暑さに弱く、寒さに強い系統です。
一方、フレンチラベンダーはストエカス系のラベンダー。
イングリッシュラベンダーと比べると香りが強くない系統のラベンダーです。
花穂の上に、ウサギの耳のような紫色の葉をつけているのが特徴的なラベンダーで、暑さには強いが寒さに弱い性質があります。
イングリッシュラベンダーの特徴
一番主流なイングリッシュラベンダーですが、実は初心者の方には難しい植物です。
そもそもラベンダー自体、適度に温暖、乾燥している地中海地方が原産の植物のため、日本の高温多湿な気候には向いていないんです。
他の品種よりも寒さに強く、冷涼な気候を好みます。ですから、夏の直射日光や温度上昇を避けて栽培する必要がありますよ。
イングリッシュラベンダーは、香りが強く昔からお風呂や衣類の香りづけに利用されてきました。
上質な精油が採れ、香りもアロマやポプリによく使われています。イングリッシュラベンダーの精油は、リラックスや精神安定に使われることも多いんですよ。
花は濃い紫色をしていて、質感はベルベット状です。
開花時期は5~6月で、寿命は3~5年ほどになっています。寿命や開花時期は育て方や環境により、少しずつ違ってきますよ。
イングリッシュラベンダーは、発芽率があまりよくないため苗で購入するのが一般的です。株を増やしたいときには、挿し芽で増やすのがおすすめです。
イングリッシュラベンダーの代表的な品種には、「おかむらさき」「ヒッドコート」や「ふらのぶるー」がありますよ。
香りを楽しみたい方にはイングリッシュラベンダーはおすすめ。
フレンチラベンダーの特徴は
フレンチラベンダーは初心者でも育てやすいラベンダーです。
開花時期がイングリッシュラベンダーよりも早く、4月上旬~6月頃です。
花の上にウサギの耳のような形の、葉が変態した苞葉(ほうよう)と呼ばれるものがついています。
フレンチラベンダーを見分ける大きな特徴ですね。
紫系、ピンク系、ブルー系、ホワイト系など花色も豊富です。
4月頃にはアブラムシやハダニがつきやすいので、育てる際には注意をしましょう。
イングリッシュラベンダーと比べて芳香が弱く、一般的に知られているラベンダーとは全く違うものと考えても良いでしょう。
比較的暑さに強く、寒さに弱い性質があります。暑さに強いとは言っても高温多湿を好むわけではありません。直射日光の当たる場所は避けるようにしましょう。
フレンチラベンダーは、薬用として昔から使われています。
香り特徴的で「カンファ―」と呼ばれています。「カンファ―」は虫が嫌う香りのため、防虫剤などとしてよく利用されてきたとされています。
代表的な品種には「アボンビュー」「キューレッド」「わたぼうし」などがありますよ。
観賞用としてラベンダーを楽しみたい場合には、フレンチラベンダーがおすすめです。
まとめ
イングリッシュとフレンチラベンダーは、違う系統のラベンダーなんですね。
ラベンダーは系統によって栽培方法が違ってきますので、事前に調べてから育てるようにするのがおすすめです。
主流なラベンダーはイングリッシュラベンダーですが、初心者の方には育てにくい特徴があります。一方フレンチラベンダーは、育てやすいですよ。
イングリッシュラベンダーは香りが強く、ポプリや精油などによく使われる種類です。ラベンダースティックなどを作るときにも、イングリッシュラベンダーがおすすめですよ。
フレンチラベンダーは香りが弱いものの、ウサギの耳がついているかのような可愛らしい姿をしています。
お好みのラベンダーを探してみるのはいかがでしょうか。