時計草(トケイソウ/パッションフラワー)は独特な花の形をしたつる性の植物です。真夏にこの独創的な花を咲かせ見る人を楽しませます。
パッションフラワーとも呼ばれ、花の形は様々です。
この時計草について今回はどんな植物なのか、基本の育て方、また詳しい開花の時期、そしてたくさんの種類がある時計草の品種についてご紹介しています。
時計草(トケイソウ/パッションフラワー)ってどんな植物?
時計草はトケイソウ科トケイソウ属の植物の総称です。南米を中心に400~500種が自生している多年草です。
花の形が特殊で三つに分かれた雄しべを持っています。その雄しべを時計の針の長針、短針、秒針に見立てたことから「時計草」と名づけられました。
時計草は和名で、学名はPassiflore、そして英名はパッションフラワーです。
花の後には果実が実り、品種によっては食べることができます。果物として売られているパッションフルーツは、時計草の中でもクダモノトケイソウの実のことを指しています。
時計草には種類がたくさんあり、寒さに弱い品種や強い品種など様々です。
時計草(トケイソウ/パッションフラワー)の基本の育て方!開花期はいつ?
時計草を育てるときは、水はけがよい土を使いましょう。市販の草花用の培養土などがおすすめです。
自分で用土をブレンドする場合は、赤玉土(小粒)と腐葉土を7:3の割合で混ぜるといいですよ。地植えにする場合は、植え穴を掘った土に腐葉土を2~3割混ぜましょう。
苗植えは4~6月におこないます。深く植え付けると株元から枯れてしまうので注意が必要です。
肥料は5~10月に緩効性化成肥料を株元に施します。2か月に1回くらいのペースで大丈夫です。
時計草の水やりは土の表面が乾いたらたっぷりとあげましょう。水不足になると花つきが悪くなってしまいます。水不足にならない程度にやや乾かし気味に管理しましょう。
真冬は生長が止まるので、2週間に1回程度の水やりで十分です。地植えにしている時計草は、特に水やりをする必要はありません。
時計草は日当たりのいい場所で管理しましょう。日当たりが悪い場所で管理すると花つきが悪くなってしまいます。
つる性の植物である時計草は誘引も必要です。伸びすぎると絡まり生長の妨げになってしまいます。5月以降に1~2週間に1回ほど誘引しましょう。
時計草には剪定も必要です。3~4月の新芽が伸びる頃につるを切り戻します。1/3~半分くらいまで切り戻しましょう。節の上で切るのがポイントです。
時計草は種類が多く、品種によって耐寒気温が違いますが冬越しすることもできます。鉢植えで育てている時計草は、11月頃になったら室内へ入れましょう。
地植えで育てている場合は株元をわらで覆うなどの防寒対策が必要です。
鉢植えで育てている時計草は、1~2年に1回は植え替えをおこないましょう。4~6月が適期です。
時計草の開花期は真夏の7~9月です。春に植えた場合は花が咲くのは翌年の夏の場合もあります。
時計草(トケイソウ/パッションフラワー)の品種
時計草には種類が多くあります。一般的に時計草というとパッシフローラ・カエルレアを指しています。
パッシフローラ・カエルレアは庭植えが可能で10cm程度の花が咲きます。花びらは淡い紅色や青色をしていて副花冠(ふくかかん)は紫色です。中心は白色をしたエキゾチックな花の色です。
寒さに強い品種には、コンスタンスエリオット、クリア・スカイ、インカルナタ(チャボトケイソウ)などがあります。
コンスタンスエリオット
コンスタンスエリオットはカエルレア種の園芸品種で花径は8~9cmです。白い花が咲く品種で庭植えも可能です。-15℃まで耐えることができます。
クリアースカイ
クリア・スカイもカエルレア種の園芸品種で花径は10~12cmの大輪の花が咲きます。とても丈夫で育てやすく庭植えも可能です。比較的寒さに強く、こちらも-15℃程度まで耐えることができます。
インカルナタ
インカルナタも寒さに強く-15℃まで耐えることができます。花には香りがあり、鎮静作用のあるハーブとしても知られています。結実した実は食べることができます。
霜に当たると枯れるものの防寒で冬越し可能な品種には、ライラック・レディ、インセンス、アメジストなどがあります。
インセンス
インセンスはインカルナタ種とキンニカータ種が掛け合わされた品種です。花径は10~12cmと大きい花が咲きます。-8℃まで耐えられる夏咲き品種の代表です。
育てやすいため園芸用に広く利用されている品種で、長く伸びた服花冠がある紫色の花が咲きます。
アメジスト
アメジストは名前の通り紫の花が咲く品種です。アメシストと呼ばれることもあります。長期間花を楽しむことができ耐寒温度は-5℃です。
茎が細くても小さいうちから花を咲かせることもあります。
時計草(トケイソウ/パッションフラワー)の増やし方!
時計草は挿し木や種まきで増やせます。
挿し木は5~7月におこないます。挿し木の方法はまず10~15cmほどつるを切ります。その時は節を2節ほどつけておきます。
切ったつるの下葉をとり1時間ほど水につけます。十分に水揚げをした後、バーミキュライトなどの清潔な土に挿しましょう。
発根し新芽が出るまでは、土が乾かないように明るい日陰で管理しましょう。水を切らさないように注意します。
1か月ほどで発根しますので、十分に根が生えたら鉢や地面に植え替えましょう。
時計草の種まきは5月、8~9月におこないます。
時計草の種を包んでいるゼリー状のものは発芽を抑制する成分があります。しっかりと水洗いして落としましょう。
種まき箱などに時計草の種をまき、覆土は種が隠れる程度に軽くおこないます。乾かさないように管理し、1週間~1か月で発芽します。本葉が2~3枚になったらポット上げし、ポットに根が回ったら定植しましょう。
まとめ
時計草はパッションフラワーとも呼ばれ、真夏に花が咲く植物です。
品種や種類が多く寒さに耐えられるものとそうでないものがあります。買う前にきちんとチェックしておくようにしましょう。
挿し木や種まきで増やすことができるので挑戦してみてはいかがでしょうか。