初夏になると、爽やかな香りと凛とした花姿で我々を魅了するイングリッシュラベンダー。
庭でイングリッシュラベンダーを育てていると、挑戦したくなるのが挿し木などで株を増やすこと。
イングリッシュラベンダーは育てることは難易度が少し高いものの、株を増やすのは意外と簡単なんですよ。
ここでは、イングリッシュラベンダーの増やし方について、その中でも種まきと挿し木について詳しくまとめてみました。
イングリッシュラベンダーの増やし方
イングリッシュラベンダーは、育て方こそコツがいるものの株を増やすのは意外と簡単なんですよ。一言でいうと、種や茎があれば簡単に増やせるんです。
自然界で自生しているイングリッシュラベンダーは、零れ落ちた種で数を増やしていきます。
同じように、ご自宅で育てているイングリッシュラベンダーも種をまいて増やすこともできます。
種まきは発芽、発根させ根付かせるのが少し難しい方法ですが、株をたくさん増やしたいときには便利な方法です。
初めてイングリッシュラベンダーを増やすというときには、挿し木がおすすめです。
挿し木は、切り取った茎を土に挿して根を生やす方法で、とても手軽におこなうことができます。
以下では、種まきと挿し木について詳しく紹介していきますよ。
また、他の方法としては株分けという方法もあります。
株分けは、今のラベンダーを一回り小さくしたいなどに便利ですよ。
種まきで増やす方法
イングリッシュラベンダーの種まきには、以下のものを用意しましょう。
- バーミキュライト、パーライト、ピートバンなどの種まき用土
- 育苗箱やセルトレイ(底にキリで穴をあけた卵パックも可)
- イングリッシュラベンダーの種
イングリッシュラベンダーの種まきは、3~4月か9~10月におこないましょう。
地域によって差がありますが、発芽適温は15~20℃ですので発芽適温を目安にするといいですよ。
植え付ける前に、2週間ほど種を冷蔵庫の中で寝かせておくようにしましょう。これは、種に冬の寒さを疑似体験させる意味があります。
その後、3日間水につけてから種まきをしていきます。この時、水に浮いたままの種は発芽しないので取り除いておきましょう。
ここまでできたら、いよいよ種まきの作業に入ります。
種まき容器に種まき用の土を入れて、湿らせておきましょう。
イングリッシュラベンダーの種を、重ならないようにばら蒔き、2~3mmほど覆土をおこないます。
種が流れやすくなってしまうため、水やりは底面吸水がおすすめです。底面吸水とは、種まき容器が入る大きさの入れ物に水を張り、種まき容器を置きます。そして、底面から水やりをするという方法です。
発芽するまでは、土が乾燥しないように管理しましょうね。
環境によって異なりますが、大体10~15日ほどで発芽します。発芽後はしっかり日に当てましょう。ただし、直射日光と強い風を避け、半日陰になるところで管理しましょう。
発芽した後は、土が乾かないように管理する必要はありませんが、乾燥のし過ぎには注意しましょううね。
色の薄い芽や間延びした苗は間引きをおこない、元気な苗を育てていきましょう。
本葉が4~6枚になったら、ポット上げをします。
ここで用意するものは…
- ポット(6cmのものが使いやすいですよ)
- スプーン(苗をすくいあげるために使います)
- ハーブ専用土
です。
まずは、ポットに用土を入れていきます。そこに、イングリッシュラベンダーの苗をスプーンで土ごとすくい、植え付けましょう。
植え付けたら、ポットの底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。
2~3日は、風通しの良い日陰で休ませるようにしましょう。
その後、根がポットの底から見えるようになった頃、大体5~6月になったら、庭やプランター、鉢などに定植しましょうね。
挿し木で増やす方法
挿し木の適期は、4~6月または9月です。
用意するもの
- ポット(6cm)
- 赤玉土、挿し木専用土などの用土
まず、用土をポットに入れ水で湿らせておきましょう。
イングリッシュラベンダーの挿し木にする枝は、木質化していない若い枝を選びます。だいたい2節分の5~6cmを挿し穂に用います。
土に埋まる、下半分の葉を取り除きます。水の入った容器に挿し穂を入れて、1時間ほど水に浸し水揚げをしましょう。
水揚げが終わったら、切り口に発根促進剤を塗るのがおすすめです。
指や割りばしで用土に穴をあけ、イングリッシュラベンダーの挿し穂を土に挿しましょう。発根するまでは、直射日光の当たらない涼しい日陰で管理します。
2週間ほどで発根し、3~4週間ほどが経ったら地植えや鉢植えなどにし、定植させるようにしましょう。
失敗しない挿し木のコツは
挿し木を成功させるコツを見てみましょう。
まずは、発根促進剤をぬると挿し木の成功率が上がります。水揚げ後におこなうといいですよ。
また、挿し木が失敗する原因として多いのは、水の与えすぎか水が足りないかのどちらかです。
発根するまでは、土を乾燥させないで管理するようにしましょう。
しかし、根が生えてからは一度乾燥させてから水やりをおこない、乾燥気味に管理していきます。
そして、挿し木の時期を間違わないようにするのも成功のポイントです。4~6月または9月の暖かい時期におこなうようにしましょうね。
イングリッシュラベンダーは、草ではなく木の仲間です。そのため、長年育てていると下の方から木質化してきてしまいます。
挿し木にすると、その木質化した部分では発根しないということも大事なポイント。切る場所は、枝の先端から7~8cmで切り、上の2~3cmを切り落とした部分を使うのが最適です。
また、切り口は斜めにカットすると水を効率よく吸収できますよ。
まとめ
イングリッシュラベンダーは、挿し木や種まきで増やすことができます。
挿し木のほうが手軽におこなうことができるので、初めてイングリッシュラベンダーを増やすときは、挿し木がおすすめですよ。