フランスやイタリアなどの南ヨーロッパや西アジア諸国が原産のヒソップは、多年性の低木で、ローズマリーやラベンダー同様にシソ科の植物です。
その葉から抽出される精油はハーブ系特有の透き通った香りに少し甘さを含ませたノートを持ちます。
しかし、他のハーブ系精油に比べて価格が高めに設定にされていることや、ブレンドや利用方法の情報があまり充実していないことから、よく知られていない精油のひとつでもあります。
それでも植物自体は、古代から宗教的場面において広く活用されてきたことや、人間が最初に使い始めたハーブの一つであるという言い伝えが存在する事もあって、その植物から抽出される効能や活用方法はより知られて然るべきではないでしょうか?
是非この機会にヒソップオイルの持つストーリーや効果などをご覧下さい。
ヒソップの主な効果
現代でこそ「アロマと言えばヒソップ!」なんて声はあまり耳にしませんが、聖書には「汝、ヒソプをもちて我を清め給え。されば、我清められん。」(詩篇51:7)
とダビデ王の自らの浄罪を祷る記述があります。
また新約聖書においてもキリスト臨終の間際に「葡萄酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに浸けてイエスの口元へと運んだ」(ヨハネ福音19:29)
と記されており、ユダヤ教、キリスト教では重要性の高いハーブであり、「聖なるハーブ」とも呼ばれてきました。
ダビデ王についての記述にもありますが、ヒソップの効果を語るには特に「浄化」というワードが大きく関わってきます。
空間の浄化
例えば、古代から中世にかけてヨーロッパの教会の聖堂では床一面にヒソップを敷き詰め、それを踏むことで芳香成分を揮発させ、それによって空気清浄を行い、キリスト教の世界では「悪の使い魔」とされていた虫を寄せ付けないようにしていました。
勿論、その効能は現代の人の営みにも通じる部分はあり、ヒソップを使うことで殺菌作用、抗ウイルス作用の恩恵に与ることができます。
また、「柳薄荷(やなぎはっか)」という和名を持つだけあって、清々しいノートを持つため、ヒソップは悩みやヒステリーを浄化しつつ閉鎖的な心を解放する手助けをしてくれるほか、その香りが精神を刺激して頭脳に閃きをもたらしてくれる、なんて効果も期待されています。
体の浄化
抗ウイルス効果が高いため、特に消化器官へ強く働きかけてくれます。風邪(特に喉の痛み)や気管支炎、喘息などの予防・改善に効果的であるほか、食べ物などの消化を補助し、腸内洗浄にも一役買ってくれます。リウマチの原因となる尿酸の排出も積極的に行ってくれます。
他には、トリートメントすることで関節の痛みを鎮め、筋肉の動きを緩めて血行を促進することから体のむくみを和らげてくれる効果もあります。これは主成分カンファーによる働きが大きく、同じくカンファーを主成分にもつローズマリー(CTカンファー)と共通の作用を持つと言えるでしょう。
お肌やダイエットにも効果的な活用法はあるの?
巷で言われているダイエット効果や美肌効果(といっても筆者はオフラインで実際にヒソップが話題にあがっている場面に遭遇したことは一度たりともないのですが・・・。)については、前項でも挙げた通り、血行促進の作用に優れているため、脂肪燃焼を効率的に進めてくれる働きを持つことや、むくみを緩和すること、体内の不要分を積極的に排出する利尿作用が高いこと、腸内にも働きかける力があることからそういった説が出ているのでしょう。
もしその説を信じるとすれば、体を温めながら血行を促進することが可能な「沐浴法」=アロマバスが適当かと思います。
ヒソップは強刺激の精油ですので少なめに1滴程度を、植物油10~20mlで希釈してからバスタブのお湯に混ぜ合わせていく方法なのですが、この方法ならばアロマバスにて血行を良くしながら、立ち上ってくる蒸気を吸い込むことで消化器官の浄化も可能です。
とここまで紹介してきましたが、ここまでの筆者の煮え切らなすぎる文面をご覧になられてお察しのことと思いますが、正直、ヒソップにめざましいほどのダイエット効果を期待できるかというと結構微妙なところでして・・・というのも「ヒソップ使ってこれだけ成果出ました!」てきな裏付けとなる資料が一切ないので。
血行を良くする=脂肪分解に役立つ、というのは理論的に正解なので、ヒソップにもダイエット効果はあるのでしょう。
しかし、これまたちゃぶ台返しになるのですが、仮にダイエット効果があったとしても、もし本気で「アロマテラピーによるダイエット」を目指すのであれば、ヒソップよりもダイエットに適して、尚且つ、科学的に立証されている精油はいくつもあることも付け加えておきます。
因みに肌への働きかけについては、主にニキビ等、肌の炎症に起因するトラブルを鎮める消炎作用、毛穴を引き締める収れん作用に優れています。こちらもアロマバスによって効果は十分得られるでしょう。
ハーブティーは風邪やインフルエンザ予防にも
アロマオイルよりも多分知名度が高いハーブティーは、爽快感のある風味が特徴的で、例えば食後の口直しにうってつけとされています。
ヒソップオイルの持つ、体の浄化作用や抗ウイルス作用の高さはハーブティーにおいても当てはまります。
喉焼けなどにも効果があることから風邪対策、インフルエンザなどの感染症予防に非常に役立ちます。
また、ヒソップティーには発汗作用も高く、体の新陳代謝を良くしてくれます。精油同様に血行促進の効果が高く、より体に取り入れやすい点を踏まえれば、精油よりもダイエットにむいているのではないでしょうか?。
この場合、同じく発汗作用の高いメリッサ(レモンバーム)とのブレンドもオススメです。
まとめ
これまで、あまり知られてなかったヒソップの精油ですが、空気浄化の効果や、消化器系の浄化作用など日常で使える効果が多く含まれています。
時々趣向を変えてヒソップオイルを使ってみるのも面白いかもしれませんね。
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