ポピュラーな洋ランの一種、デンドロビウム。比較的育てやすいデンドロビウムは、ラン初心者の方にもおすすめの品種です。
開花すると、艶やかな花の色が豪華でとても見応えがありますよね。
寒さに当たらないと花芽がつかないデンドロビウムですが、冬越しの方法も気になるところ。
今回は、初めてデンドロビウムを育てるという方にもわかりやすくデンドロビウムの育て方や冬越しの方法についてご紹介します。

デンドロビウムの育て方
デンドロビウムは、苗で売られていることが多く苗から育てることが多い植物。ここでは、苗からの育て方をご紹介していきますね。
植え付け
デンドロビウムの苗の植え付けは、3月下旬~5月を目安におこないます。特に、新芽が出てくる4月が理想ですよ。
デンドロビウムを植え付ける鉢は、なるべく小さめの鉢を用意しましょう。
植え付け材に向いているのは、ミズゴケかヤシガラ。
植え付け材と鉢の選び方、植え付けの詳しい方法については次でご紹介しているので、そちらもご覧になってみてくださいね。
花がら摘み
デンドロビウムの開花が終わり花が枯れてきたら、枯れてきた花を取る花がら摘みをおこないましょう。
ポイントは、花茎の根元からとること。
根元が残っていると、デンドロビウムの場合はそこから根が出てきて、株が弱ってしまうので注意しましょうね。
また、他の植物と同じように、一度花を付けた茎(バルブ)からはもう花は咲きません。
他の植物だと、開花の終わった茎はすぐにカットしますよね。しかし、デンドロビウムはすぐにはカットしません。
もう一度花が咲くことはないのですが、開花後1年くらいは茎の内部に栄養がある状態です。
この栄養は、新芽の生長に必要になります。ですから、咲き終わった茎もすぐには取らないようにしましょう。
開花後2年以降になると、内部の栄養がなくなりしわしわになってきます。しわしわになったらカットしてしまって大丈夫ですよ。
置き場所
デンドロビウムは、一年を通して日当たり良い場所で管理しましょう。
春から秋は、戸外の明るい日陰や室内の日当たりのよい場所で管理するといいですよ。
梅雨や秋の長雨には当たらないように注意し、秋は戸外の軒下などで管理しましょう。
デンドロビウムは寒さに当たらないと花芽がつかない性質があります。
秋になってたらすぐに室内に入れるのではなく、最低気温が6~8℃になるまで待ち、室内へ入れるようにしましょうね。
室内に入れている間も、日当たりの良い場所に置くようにしてくださいね。
冬はそのまま室内で管理し、春になり最低気温が10℃以上になったら屋外に出し、よく日に当てて丈夫な株に育てましょう。
水やり
デンドロビウムの生育期には、植え込み材料の表面が乾いたら水やりをおこないましょう。
過湿状態が続くと、根が腐るので注意が必要です。
9月頃になると、バルブの頂点に立ち気味の葉(とめ葉)が出て、成長が止まります。このとめ葉が出たら、水やりを徐々に減らしていきましょう。
冬はデンドロビウムの休眠期です。植え込み材が乾いて2~3日経ってから水やりをおこないます。
乾かし気味に管理しましょうね。
肥料
肥料は的確な時期におこなうと、デンドロビウムが元気に育ちます。
新芽の伸びはじめた時期~夏前には、1000倍に薄めた液体肥料を月に2回ほど与えましょう。同時に5月と6月に1回ずつ、固形肥料を与えていきましょうね。
夏以降は肥料を与えないようにします。
液体肥料は8月上旬、固形肥料は7月上旬には打ち切りにしましょう。
植え替え
デンドロビウムの鉢の中が、根でいっぱいになり根の伸びるスペースが無くなったら、植え替えをおこないましょう。
デンドロビウムの植え替えに適した時期は、3月下旬~4月です。
毎年おこなう必要はありません。大体、2年に一回ほどを目安にしてくださいね。
もしもデンドロビウムが大株になっているのなら、一緒に株分けをしてもいいですよ。
デンドロビウムは土がなくても育つ?
デンドロビウムは水苔やヤシガラで育てることが多くありますが、土がなくても育つのでしょうか。
元々デンドロビウムは着生ランという種類で、樹上に着生して育ちます。
その為、土に植えなくてもきちんと育つんですよ。
一般的な水苔での育て方と相性の良い器はこれ
デンドロビウムを水苔で育てる場合は、素焼きの鉢が相性抜群です。化粧鉢やプラ鉢を使うと、乾きにくく根腐れしやすくなってしまうので注意しましょうね。
水苔は値段がやや高めですが、水苔自体にわずかな肥料分があり、根の活着や生育が比較的早いのが特徴です。
そのため、デンドロビウムを初めて育てるという方にもおすすめの植え込み材ですよ。できれば、繊維の太い良質なものを使うのがおすすめ。
水苔を水に浸して、よく水を吸収させて軽く絞ってから使用しましょうね。
やや固めに植えるのがポイントです。
ヤシガラで育てるコツも
デンドロビウムをヤシガラで育てるときは、通気性がよくない鉢との相性良がいいですよ。例えば、化粧鉢やプラ鉢などですね。
ヤシガラは安価ですが、あく抜き作業などが必要になり、少し手間がかかってしまいます。
あく抜き作業とは、ヤシガラを使用する前に水に丸1日浸し、その水を捨て、また水につけるという作業のことです。
1週間ほど繰り返して、その後十分に水切りしてから使いましょうね。
「あく抜き」の表記があるヤシガラも、あく抜きをしたほうがいいですよ。
鉢は根が収まる範囲でなるべく小さいものを選びましょう。
鉢が大きすぎると、中が乾きにくくなり根腐れを起こすなど根に大きな負担がかかってしまいます。注意しましょうね。
ヤシガラを使ってデンドロビウムを植え付ける方法を見ていきましょう。
- 鉢底に1/4ほど発泡スチロールを入れる
- デンドロビウムの根を切らずにらせん状に回しこむ
- 深植えせず、茎の下部分の膨らんでいるところは地表に出るようにする
- 水やりはせずに完成
ポイントは深植えしないこと。
これから出てくる新芽が、ヤシガラの中に入り込まないように気を付けましょう。
また、植え込み直後の水やりはしてはいけません。植え付け後、2週間くらいは多量の水やりは控えましょうね。
根の回復を待ってから、徐々に水やりの量を増やしていきましょう。
デンドロビウムの失敗しない冬越しの方法
デンドロビウムの冬越しは、室内でおこないます。室内の日当たりがよい場所で管理していきましょう。
冬の間は休眠期ですので、水もほとんど必要なありませんよ。
鉢の中が十分に乾いてから、夕方までには完全に乾ききる程度の水やりをおこないましょうね。
7~10日に1回程度、晴天の午前中に水やりをするのが目安ですよ。
まとめ
デンドロビウムの基本の育て方を見てきましたが、あまり難しいことはないのですね。
ポイントは日当たり。
夏の強い直射日光や雨に注意しながら、日当たりの良い場所で管理していきましょうね。

