西洋には私たち日本人が聞き慣れないハーブの名前が多く存在します。
セントジョーンズワートもその一つではないでしょうか?
欧州に自生する多年草の一種で、小さく黄色い花を咲かせる植物です。
日本での知名度は低いものの、欧州では古代から薬草等に使われてきました。
ここではセントジョーンズワートの効果・効能や摂取するタイミング、また摂取する際の注意点や副作用について紹介して行きたいと思います。
セントジョーンズワートの効果・効能
体への作用
セントジョーンズワートが私達人間の体にもたらす効能としては
- 抗炎、殺菌作用
- 鎮痛作用
- 女性特有の悩みに
等が主に挙げられます。
古代ギリシャ人の間では抗炎症剤として利用されてきました。
殺菌作用が高い為、中世の欧州では戦時中に刀傷の治癒薬として戦場にも持ち込まれたそうです。
また、「ゲルマクレンD」という成分が含まれており、これは主に生理周期を安定させ、月経を促す働きを持ちます。これにより更年期障害の緩和にも役立つことから女性の体の悩みにも心強い味方となりそうですね。
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心への作用
傷薬以外にも心の内面に好影響を与える効果もあります。主に次のような効果があげられます。
- セロトニンの再吸収を阻害し、増加させる効果がある。
- 抗鬱効果が高い。
- PMS時のイライラを静める。
- 気持ちを前向きにさせる。
「セロトニン」とは、人の精神に大きく影響を与えるホルモンで、巷では「幸せホルモン」と呼ばれています。
セロトニンの分泌量が減少することで、鬱病や不眠症等にかかりやすくなってしまうのです。
また、月経前症候群(PMS)ならではのイライラ感もセロトニン不足に密接な関係があるようなんですね。
一方で、体内のセロトニン分泌量が多すぎると、気分の高揚に伴って「躁状態」に陥る危険性もあるのですが……。
しかし、セントジョーンズワートに含まれる「ヒペリシン」、「ヒペルフォリン」といった有効成分には
「セロトニンの過不足を抑え、分泌量を調整する」
という効能があり、体内のセロトニン分泌量をバランスよく保たせることで、精神を安定に導きます。結果、この効能を持つセントジョーンズワートは抗鬱、PMS対策の適性が高いとされているのです。
心を整え、前向きにさせる効能を持つことから米国では「ハッピーハーブ」や「サンシャインハーブ」と呼ばれ親しまれています。
また、ハーブ先進国のドイツでは早くからこの効果が注目され、現在では、軽~中度の鬱病と診断された患者にセントジョーンズワートが最初に処方されるそうです。
セントジョーンズワートの飲むタイミングと持続時間は?
セントジョーンズワートは、日本では主にサプリメントという形で流通しています。
市販のサプリは20日分の量で500円前後とリーズナブルなので取り入れやすそうですね。
しかし残念ながら、セントジョーンズワートが持つ効果の持続時間は4時間程度と短いのが難点です。
そして即効性が低い為、個人差はありますが効果を感じるまで約4週間ほどかかるとも言われています。
その間も体内のセントジョーンズワート濃度は一定にしておく必要があります。
以上の特徴を踏まえたうえでベストの摂取タイミングは、 朝・昼・夕の、食事と食事の間の時間(食間時)です。このルーティンであれば活動時間中の体内濃度を一定に保てますし、副作用の一つである「胃痛」の対策にもなりますよね。食事を抜く際の摂取は体への負担が心配されるため、控えた方がいいようです。
- タイミングは食間時
- 始めは効果・効能を感じづらいので、1か月程継続して摂取をする
といった感じで摂取していくのが最も効率的と言えそうですね。
他にも、PMS等でお悩みの方には、セントジョーンズワートのハーブティで休憩タイムを演出してもらうのも良いかも知れませんね。
ただ、単体だと苦味が残るので、カモミールジャーマンなどリラックス作用の高いハーブとのブレンドがオススメです。
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セントジョーンズワートの副作用、授乳中は要注意?
さて、医薬品やサプリとして大活躍のセントジョーンズワートですが、注意点や副作用もあるのでご留意下さい。
副作用について
一番起こりやすいのが過剰摂取に起因する「不眠」だとのことです。
摂取する前に、注意事項や適正摂取量をよく確認した上で摂取しましょう。
また飲み始めの段階では倦怠感を感じる事もあるそうです。継続して摂取することで解消されてくるそうですが、倦怠感により集中力の低下を招いてしまいます。
摂取後、そのような症状を感じた場合、車の運転は控えましょう。特に視界が悪くなる夕方から夜間の運転は避けた方がよいでしょう。
避けた方がよい、他の薬品との飲み合わせ。
セントジョーンズワートは一部の薬品の働きを弱めたり、逆に増強する特徴を持ちます。特に次に記載する医薬品との飲み合わせは避けましょう。
ピル
そもそもピルは体内の女性ホルモンを増幅させることで避妊させます。
セントジョーンズワートの摂取により、ホルモンの放出が活発化すると、代謝の速度が速まり、ピルの効果も代謝によって排出されてしまうので、避妊効果が薄れてしまいます。
併用は避けましょう。
気管支拡張剤
主に喘息にかかっている方が服用する薬品ですが、セントジョーンズワートを摂取することによって薬品の効果を半減させてしまうそうです。
呼吸改善の遅延、果ては窒息してしまう事もあるようなので、併用は絶対に避けましょう。
抗HIV薬
別名インジナビル。セントジョーンズワートの成分を含む製品との併用によって、血中濃度が低下します。
この進行により鬱気分になるなど脳全体に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
またHIV感染者の方は血中濃度の低下に耐性を生じる危険性があるので併用は避けましょう。
他にも精神系の薬品等がこれに該当します。詳しくは薬品を処方する医師や薬剤師の方との相談の上でとるようにしてください。
妊娠中、授乳中の摂取はタブー
妊娠中の摂取は絶対に厳禁です。このハーブは筋肉を収縮する効果があり、流産の原因となってしまう危険性があります。
医薬品そのものが未発達だった時代の米国では、先住民の間で中絶薬として使われてきたと言われています。
また、授乳中のママさんも母乳を通じて乳児が腹痛を起こす、嗜眠状態、意識混濁に陥る等の可能性があるので摂取は控えてください。
以上が摂取する際の注意点です。
いろいろ書きましたが、「飲むタイミングと量」、「他の薬品との飲み合わせ」、「妊娠中、授乳中は避けた方が良い」という点にさえ気をつければ手軽に摂取できるアイテムとなるのではないでしょうか。
まとめ
さて今回はセントジョーンズワートの効果・効能や摂取するタイミング、摂取の際の副作用や注意点について紹介しさせていただきました。
最初に触れた通り日本での知名度は低いハーブですが、効果・効能は素晴らしいものを持ってますね。
私も落ち込んだ時などはセントジョーンズワートのアロマ精油とオレンジスイート精油をブレンドしてディフューザーにかけて芳香浴をする事もありますし、マッサージ用のキャリアオイルも存在するなど、汎用性の高さに驚かされます。
サプリメントについても、
「気分がよくなった。」
「お試しだったが、リピート決定。販売停止とかなったら困るレベル。」
などなど、高い評価を得ているようです。
勿論、効果の方は個人差もありますが安価で手に入りますので、まずはお試し感覚で始めてみて、体調を見ながら少しずつ取り入れていってもいいかもしれませんね。