庭のグランドカバーとして使われることの多いサギゴケ。「コケ」と名前に入っていますが、苔の一種ではないようです。
サギゴケは日陰のグランドカバーとして最適ともいわれているのですが、どのように育てていけばよいのでしょうか。また、日陰でも本当にちゃんと育てられるのでしょうか。
今回は、サギゴケとはどのような植物なのか、サギゴケの育て方について、サギゴケとよく似た花をご紹介していきます。
日陰のグランドカバーに最適なサギゴケとはどんな植物?
サギゴケは、日本原産の多年草で本州や四国、九州などが生息地です。日本以外の場所だと台湾や朝鮮半島などでも見ることができます。
ゴマノハグサ科またはハエドクソウ科に分類される植物で、名前に「コケ」と入っていますが、苔の仲間ではありません。サギゴケはサギシバと呼ばれることもあります。
花の色には、薄紫やピンク、白などがあり一般的に白の花をもつものをサギゴケ、薄紫の花をもつものをムラサキサギゴケと呼びます。
サギゴケの名前の由来は、花の形がサギが飛んでいる姿に見えたことから、また、ほふく性で地面を這うように成長していく姿が苔のように見えたことから名づけられたといわれています。
草丈は3~8cmほどで、生育が早いのが特徴です。びっしり感が魅力のグランドカバープランツで、比較的強く、悪条件にも耐えることができるとして好まれています。
サギゴケの育て方!種は販売してる?
サギゴケは苗で流通していて、種はほとんど販売されていません。苗も実店舗ではなかなか手に入りにくいため、ネットで購入するのが簡単でおすすめです。
自分でサギゴケを増やすときも種から増やすのではなく、株分けや挿し木、根伏せなどで増やすとよいでしょう。
サギゴケは春から開花を始めます。ですから、3~4月中旬までに植え付けをおこなうと良いでしょう。
土は市販の山野草の土などが良いでしょう。水はけと水持ちが良い土にするのがポイントです。庭に直接植え付ける場合は、水はけが悪い時には川砂や赤玉土、腐葉土などを混ぜ込んでおくようにしましょう。
サギゴケは乾燥を嫌うので、土が乾いたらしっかりと水やりをおこなうようにしましょう。水やりをしっかりしておくだけで、冬も簡単に越してくれます。
肥料は基本は不要ですが、葉の色が薄い時などは既定の半量ほどの肥料を与えるようにしましょう。緩効性化成肥料であれば粒状のものを株元にまき、液体肥料であれば2週間に一回くらいを目安に与えると良いでしょう。
耐寒性、耐暑性、耐陰性があり丈夫なため初心者の方でもとても育てやすい植物です。ある程度の踏みしめにも耐えることができます。
日陰で育てることもできるサギゴケですが、日陰だと花つきが悪くなることもあります。上手に花を咲かせたいという場合は日当たりの良いところに植え付けるようにしましょう。
放っておくとどんどん広がっていきグランドカバーとしても優秀な植物です。暴走するほど増えるわけでもないので、適度に切り戻しをして広がりすぎないように管理するようにしましょう。
サギゴケとよく似た花も
サギゴケには似た植物もあります。その中でも、ムラサキサギゴケとトキワハゼについて少しご紹介します。
ムラサキサギゴケ
ムラサキサギゴケはサギゴケの色違いで、花の色が薄紫色~赤紫色の花が咲きます。湿ったところを好み、地面を這うように茎をのばすほふく性の植物です。マット状の群落をつくるのも特徴的です。
開花は3~5月で、花の直径は1,5cmほどの大きさです。花びらには個体差はありますが、黄色と紫色の斑点があります。
草丈は3~8cmほどで、北海道南部から九州までと広く分布していて、田のぼのあぜ道などに多く咲いています。
トキワハゼ
トキワハゼはサギゴケと違い、地面を這わずに花茎が直立気味に生長します。根元から枝分かれして、花をつけます。
関東で庭や道端でよく見かける雑草の一つで、庭や畑、道端や空き地などに多く生えています。
花期は4~11月と長く、花の直径はサギゴケよりも小さく1cmほどです。一年草で冬になると枯れてしまいます。
ほぼ一年中咲くトキワハゼの花は黄色と赤褐色の斑紋があります。草丈は約5~20cmとサギゴケと比べ少し大きめです。
湿ったところで育つサギゴケと違い、トキワハゼはやや乾いたところでも育ちます。東アジアの熱帯から温帯に広く分布しています。
まとめ
サギゴケは日本の広い範囲に生息している多年草です。
多年草ですので、冬を越して翌春も楽しむことができます。日陰のグランドカバーとして使うこともできますが、花を楽しみたい、上手に花を咲かせたいという場合は日の当たるところで育てるようにしましょう。
サギゴケには花が紫色のムラサキサギゴケもあります。両方一緒に植えるのも可愛いかもしれませんね。
また似ている植物にはトキワハゼという植物もあります。トキワハゼはサギゴケよりも少し大きめで乾いたところでも咲きます。ぱっと見は見分けにくいかもしれませんが、違う植物なのですね。
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