レモンの木を育てていて困ることの一つが害虫。放っておくと、病気を引き起こしてしまうこともある厄介者ですよね。
大事なレモンの木を守るためには、害虫対策や害虫駆除をおこなわなくてはいけません。
レモンの木には、どのような害虫がつきやすいのでしょうか。
今回は、レモンの木に虫がつくのか、つきやすい害虫の種類、そして対策や害虫駆除の方法についてご紹介します。
レモンの木には虫がよくつく?
比較的病害虫の被害にあいにくいレモンの木。
虫がつきにくいとはいうものの、全くつかないというわけではありません。また、虫がついてしまうと、外観が損なわれるだけではなく、レモンの木が枯れてしまうことがあります。
そこで次からは、レモンの木につきやすい虫についてみていきましょう。
レモンの木によくつく虫と対策も
レモンの木につきやすい虫を5種類ほど、みていきたいと思います。
カミキリムシ
カミキリムシは、樹皮をかじり、地上60cm以下の主幹部に穴をあけて産卵します。幹の中に生まれた幼虫は、樹木の中を食害してしまいます。そして、木の穴から木くずやふんを出します。
木の中でさなぎになったカミキリムシは、5~9月に成虫になって出てきます。幼虫が成虫になるまでは約2年間かかります。
カミキリムシを放っておくと、幹や枝を食害することで中が空洞になってしまいます。中が空洞になると、枝が折れたり枯れたりしてしまいます。
カミキリムシが最盛期を迎える6~7月頃に、酢農薬を2週間ごとに幹や枝に散布すると忌避効果がありますよ。また、草木灰を根元周りの土壌に散布することでも同様の効果が得られます。
コナジラミ
カメムシの仲間であり白色の虫、コナジラミ。植物の汁を吸汁する虫で、繁殖力がとても強く増えやすいのが特徴です。コナジラミが出す分泌液で、植物がすす病を発症してしまうことあります。
成虫には羽があり、木を揺らすと小さな白い虫が一斉に飛び回ったりもします。
コナジラミは見つけたらすぐに駆除しましょう。葉水をおこなったり、こすり取ったりして駆除できますが、繁殖力が強いため手の施しようがなくなることもあります。
コナジラミの幼虫は、春になると動き始めます。実がなる前にしっかりと駆除しましょうね。
コナジラミは寄生されると、数がどんどん増えていってしまいます。そこで、防虫ネットを張って成虫の飛来を防ぐようにするのがおすすめですよ。
アブラムシ
春に発生するアブラムシ。植物の汁を吸ったり、植物の病気を媒介するなどの被害があります。植物の汁を吸われてしまうと、生育が悪くなってしまいます。
また、アブラムシの分泌液で葉が汚れ、すす病を発症しやすくなってしまいます。多くのアブラムシがついてしまうと、植物が枯れてしまうこともありますよ。
アブラムシは窒素過多になるとつきやすくなる虫です。窒素肥料を控えるようにしましょう。どんな植物の場合も、窒素肥料をやりすぎると葉が徒長し、病害虫に弱くなります。
アブラムシは光の反射や日光を嫌う虫です。鉢の上やレモンの木の根元付近に、アルミ箔を敷くことで忌避効果が期待できますよ。
ハダニ
ハダニはクモの仲間で、体長は0.5mmほどの虫です。成虫は毎日卵を数個ずつ産卵し、2~3日でふ化します。10日ほどで成虫になるため、短期間で大量発生する虫です。
高温多湿を好み、梅雨明け~9月頃がピークになります。
ハダニは、葉に口針を刺して吸汁してしまいます。吸汁された部分は、組織が壊されて白くなってしまいます。
葉に白い細かい点が多くみられる場合は、ハダニが原因でしょう。ハダニが多発すると、葉全体が白っぽくなってしまいます。葉が白くなると、光合成ができずに葉が落ちたり枯れたりしてしまいます。
ハダニは年中発生しやすく、乾燥が原因の場合が多くあります。葉水を多めに与えることで防ぐことができますよ。
蝶や蛾の幼虫
特にレモンの木にはアゲハ蝶の幼虫がつきやすいです。レモンの最大の敵ともいえますね。蝶や蛾の幼虫は、食欲旺盛で柑橘類が好きなので、葉が展開し始めた頃の4月中旬~5月に多く発生します。
蝶の幼虫は、葉を食害してしまいます。ひどい場合は葉脈だけを残してすべて食べてしまいます。
アゲハ蝶が飛んでいるのを見かけたら卵を探してみたほうが良いでしょう。葉の表裏をチェックしましょう。
卵を見つけたら駆除しましょう。蝶の卵は、黄色~やや黄緑色の小さな粒です。ティッシュなどですぐにとれますよ。
対策や害虫駆除の方法
虫の種類によって対策の方法は違いますが、飛んでくる虫は防虫ネットを張っておくことである程度防げますよ。
防虫ネットは、ホームセンターなどで売っていて簡単に手に入ります。根元はきちんと縛り、蝶や蛾が入らないようにしましょう。
アブラムシは、水と牛乳を同量混ぜた牛乳スプレーで駆除することもできます。スプレーをすると、乾いた牛乳の成分が膜を張り固まります。
そうすると、アブラムシが呼吸できなくなり死んでしまいます。一度乾いてから、葉水できれいに流しましょう。
レモンは実を食べるので、なるべく殺虫剤は使いたくないですよね。
どうしようもなくて殺虫剤を使う場合は、時期に注意しなくてはいけません。
殺虫剤の種類により、いつまで使えるかは違います。例えば、ダントツ水和剤は収穫の前日まで使えますが、モスピラン顆粒水溶剤は収穫の14日前まで使えます。
それを過ぎてしまうと、身体に有毒な場合もあるので注意しましょう。
まとめ
レモンの木は、虫がつきにくい植物ではありますが全くつかないわけではありません。
虫がつかないように、防虫ネットを張ったりと対策をしてレモンのおいしい実を収穫できるといいですね。