着生ランのデンドロビウムは、元々、樹上の高さ1~2mの場所に根を広げる植物です。
洋ランの中でも丈夫な性質のため育てやすく、艶やかな花色が魅力のデンドロビウム。
花をきれいに楽しむために、また、上手に育てるために、詳しく育て方を知っておきたいですよね。
そこで今回は、デンドロビウムの高芽とりの方法や増やし方について、また、古い茎の処理方法などについてご紹介します。
デンドロビウムの高芽ってなんのこと?
デンドロビウムの育て方を見ていると、よく「高芽」という言葉を目にすると思います。デンドロビウムの高芽とは、何のことを指しているのでしょうか。
高芽とは、茎の途中から出てきた子株のことを指しています。
この子株は、管理が良ければ花芽になっていたかもしれない芽なんですよ。
冬から春にかけて出てしまった芽は、高芽になりやすいともいわれています。
水分過多や肥料過多、特に窒素分の多い肥料が方になると、花になるはずのものが芽になってしまい、高芽になってしまうんですよ。
デンドロビウムは、洋ランの中でも高芽がでやすい品種です。
高芽は放置すると、茎から栄養を奪い最終的には株が弱ってしまう原因になりますので注意しましょう。
しかし、高芽からデンドロビウムの株を増やすこともできます。
増やし方については次で詳しくご紹介しますね。
デンドロビウムの高芽とりや増やし方
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デンドロビウムは高芽とりをおこない、そのまま高芽から株を増やすこともできますよ。高芽とりがデンドロビウムの増やし方の一つなんですね。
では、高芽とりの方法について見ていきましょう。
デンドロビウムの高芽を見つけて増やそうと思った場合は、根が5cmほど出るまではゆっくりと待つ必要があります。
葉が2、3枚付き、白い根が5cmほど出たら高芽を切り取って増やしていきましょう。手で簡単にとることができますよ。
この時、根は傷つけないように注意しましょうね。
親のバルブを付けたまま切り取ると、その後の発育が良くなりますよ。
根を切り取ったら、根の部分を湿らせた水苔で覆っていきましょう。高芽の根元は空気に触れるように、水苔はかぶせないでおきましょうね。
一週間ほど半日陰で管理し、その後は直射日光の良く当たる場所につるして管理していきましょう。
高芽を取って増やすのに理想の時期は、4~6月ですが、9月まではおこなえますよ。
基本の高芽からの増やし方は上記の通りですが、次のポイントを意識することでさらに失敗しにくくなりますよ。
・水苔は水に浸してから使う
・なるべく小さめの鉢を使う
・水苔を丸めて根の中に入れる
・茎の一番下の部分は出したままにして置く
水苔は使う前にバケツなどに入れ、水に浸しておく
水苔は水に浸して柔らかくしてから使うようにしましょう。高芽の根も硬いので、しばらく水に浸しておきましょうね。
少し水に浸しておくと、柔らかくなり植え付けしやすくなりますよ。
鉢はなるべく小さめの鉢を用意する
デンドロビウムを植え付けるときは、なるべく小さめの鉢を使うようにしましょう。
株の大きさにもよりますが、増やすときには2.5号でも十分ですよ。
水苔を丸めて根の中に入れ込む
植え付けるときは、高芽の根の中に水苔を丸くしていれるといいですよ。
鉢の中に入れるときは、根を折らないように注意しながら入れましょうね。
茎の一番下の部分は埋め込まない
茎の一番下部分、膨らんだところは水苔に埋め込まず、見える状態になるようにしましょう。
また、鉢の縁いっぱいいっぱいまで植え付けないように注意しましょうね。水やりの時に水がたまらなくなってしまいますよ。
一番簡単な増やし方はこの高芽とりですが、他にも株分けや葉挿しで増やすこともできますよ。
株分けは春先の、植え替えと同じタイミングでおこなうといいですよ。
大きくなった株を分けて、いくつかの鉢に植えるだけなので手順はとても簡単です。しかし、株を分けるときに根を傷つける恐れがあるので注意しましょう。
葉挿しは、元気の良い茎を株から切って使います。
3cm位の長さに茎を切ったら、湿らせた水苔に挿しておくだけです。かなり時間がかかるので、根気よく待ちましょうね。
デンドロビウムの古い茎の処理はどうする?
デンドロビウムは、一度花を咲かせたバルブからは、再び花が咲くことはありません。
他の植物の場合だと、古い茎はすぐに処理する必要があります。
しかし、デンドロビウムの場合は花後の古い茎も新芽が出る時期の養分や水分になります。ですから、一度咲いたバルブだからとすぐに切らないようにしましょう。
花が咲き終わって2~3年経つと、色が褪せて細くなってきますので、そうなった茎は切り取るようにしましょうね。
肥料をやるタイミングも
デンドロビウムの肥料は、4~7月頃に与えましょう。最低気温が15℃以上~8月上旬を目安にしてもいいですね。
液体肥料は、8月上旬以降からは完全に打ち切りにし、与えません。
置き肥の場合は、7月上旬には打ち切りにしましょうね。
あまり遅くまで肥料を与えてしまうと、花芽ができず高芽が多くなってしまうので注意しましょう。
もしも、今シーズンの花が咲かない若い苗ならば秋まで肥料をあげて、大きく育てても大丈夫ですよ。
まとめ
デンドロビウムの高芽とは、花芽になるはずのものだったんですね。でも、高芽がついたからといって、管理が悪いんだ、と思う必要はありませんよ。
高芽を使ってデンドロビウムの株を増やすこともできます。
もし高芽が多くついてしまったった時には、高芽を使ってデンドロビウムを増やしてみてくださいね。