古代から薬物というかたちで人々の生活に寄り添ってきたハーブであるボリジ。
現在ではボリジから抽出したオイルがマッサージ用に使われたり、ボリジを煎じたハーブティ、果ては料理のアレンジにボリジを利用してみたりと幅広く使用されています。
今回はボリジオイルがもつ効能や、美味しいボリジティーの煎れ方や他にも便利かつお洒落なボリジの利用方法も紹介していきましょう。
アトピーにも効果的なボリジオイルの効能
ボリジオイルの効能は特に肌への働きかけが強いのが特徴です。ではその詳細について解き明かしていきましょう。
Υーリノレン酸による肌細胞の保全
私たち人間の肌には、カビやダニ、化学物質などの刺激物から肌細胞を守るため皮脂層、セラミドを含めた角質層の二層にわたるバリアが張られています。
しかしこのバリアは乾燥、栄養不足、ストレス、加齢などによりダメージを受け、やがてそれらの層そのもののバリア機能が弱体化していきます。
バリアの弱体化に伴って、刺激物の介入を許し、アトピー肌などの肌トラブルなどが生じてしまうなどの悪循環に陥ってしまいます。
そんな時に良いとされているのがぼボリジオイルです。
ボリジオイルの全体の21%を占める主成分Υ-リノレン酸には、それらのバリア(皮脂層と角質層)を修復してくれる作用を持っています。
この作用によって、保湿性の高い肌質をキープして、外からの刺激を寄せ付けない効果を発揮してくれます。
肌の老化防止とエモリメント効果
Υ-リノレン酸の効果は肌細胞のバリア修復のみに留まりません。
乾燥などでバリア(皮脂層と角質層)が傷つくことによって、隙間ができやすくなり、隙間から刺激物が入り込むことによって、シワやたるみなどの老化現象を招くことも・・・。
Υ-リノレン酸はそんな肌細胞を修復し、水分の喪失を防いでくれます。
また、水分を保ちながらも、肌を柔らかくしたり、肌の中に栄養素を貯蔵する効果も持ち合わせた「エモリメント効果」を発揮します。この効果は美容やメディカルハーブ、アロマテラピーの世界でも馴染み深い効能の一つとされています。
と、まあこんな感じで、要するに美肌効果の高いオイルであるということがご理解頂けたのではないでしょうか?
特にトリートメントオイルとして使われることが多いボリジオイルです。
含有成分の大半が極めて酸化しやすいなど、クセがあるためトリートメントに使う際は、ホホバオイルやマカダミアナッツオイルをメインに、少し足してあげるのが丁度良いのかもしれません。
ボリジハーブティーの効能とおいしい飲み方
それでは、ボリジのハーブティーが体にどのような作用を起こすのかを見ていきましょう。
おいしいハーブティーの飲み方もご紹介しますよ。
発熱時に有効な発汗作用・解熱作用
体の代謝を高め、老廃物等を汗として放出する効果が高いとされています。
また発熱時に体の熱を取る効果にも優れており、発熱に伴う不調時にはオススメのアイテムとなってくれるでしょう。
喉の痛みに有効な抗炎症作用
体の内外に作用する物としては、「抗炎症作用」が代表例ですね。
炎症による喉の不調や胸焼け、インフルエンザなどの感染症などの症状を緩和するとされています。
アドレナリンの分泌を促進し、沈んだ気持ちを明るく
古代からハーブに対する見識が高かったヨーロッパでは、ボリジに関する伝説が数多く存在します。
例えば紀元前8世紀頃に成立したとされるホメロスの叙事詩「オデュッセイア」では、
「この葉や花を酒に浸して飲めばあらゆる悲しみも忘れることができた。」
という一節がありますし、ローマ帝国時代の暴君ネロの治世下にあって、軍医を務めた薬物学の大家ディオスコリデスは、自身の著書「マテリア・メディカ」にて
「心を明るくし、うち沈んだ精神を高揚させる為には、ボリジを用いるべきである。」
と記しています。実際にローマ軍の遠征の際には、兵士の恐怖心を克服し、士気を高めるためにボリジを浸した酒やボリジティーなどが振る舞われたというエピソードも残ります。
その効能は現代にも脈々と伝えられ、不安や鬱な気分などに打ち勝つ力をボリジティーは授けてくれます。
ボリジハーブティーの美味しい飲み方やブレンド
- カップのフィルターに小さじ1杯のボリジを入れます。
- 沸騰する直前の熱湯を注ぎ(沸騰すると雑味が出ます。)、約5分程度蒸らして完成です。
ブレンド方法としては、風味を豊かにしてくれるレモングラスが個人的にオススメです。
レモン汁を垂らすだけでも良いでしょう。
ボリジの砂糖漬けの作り方と他の利用法も
クッキーやマフィン、ミルフィーユなど午後のティータイムの楽しみは数々の甘いお菓子たち・・・。でも、最近ちょっとワンパターンになってる・・・なんてかたにオススメなのが、色鮮やかなボリジを使った砂糖漬けです。
作り方も非常に簡単ですし、色んな利用方法が存在します。
ボリジの砂糖漬けの作り方
材料
- ボリジの花の部分 適量(何輪か)
- 卵白 1/2個程度
- グラニュー糖 適量
- 水彩画用の筆 (小さい物を選びましょう。)
作り方
- ボリジの花の下ごしらえをします。
がくの部分は不要なので、花弁から離します。
この際、花弁の部分を傷つけないように慎重に作業を行いましょう。 - ボウルに水を汲んで、ボリジの花弁部分を浸し、埃などの汚れをとります。
- ボリジの洗浄をしている間に卵白を用意します。
一応材料欄には1/2個分と表記しましたが、ボリジの花弁の数が20枚に満たない場合は、卵を割った後の殻の部分についた卵白で十分作れる場合もあります。 - 洗浄したボリジの水切りを行いましょう。
- いよいよここからが本番。ボリジに卵白を塗っていきます。
- 卵の白身の部分を筆を使って、ボリジの花弁に塗布してます。
先に花の表を塗っておくと作業は楽です。 - クッキングシートにグラニュー糖をまぶします。
花弁をグラニュー糖の上に置いたら、今度は上からさらにグラニュー糖をまぶしていきましょう。 - 作業はこれにて完了です。
- 長期保存させたい場合は天日干しをすると良いでしょう。
お盆などに載せて上からサランラップを被せてあげると、埃がつきませんし、より乾燥しやすくなります。
砂糖漬けは食用のみにあらず!
さてここまでボリジの砂糖漬けの作り方について紹介してきましたが、ボリジの砂糖漬けはお菓子以外にも色んな面で使い道があります。
紅茶やレモンティーのおともに
紅茶のカップにそのまま入れてあげることで、甘みが加わります。
相性の良いレモンティーにもオススメですね。
それこそ、レモングラスなどさっぱりした味わいのハーブティーに加えるのも良いですね。
普段砂糖などを加えてる方には特にオススメです。だって、すごいおしゃれなんですよ!
お酒のおともに
といっても肴の話ではありません、普段のウイスキーの水割りにボリジの砂糖漬けを添えて風味を広げてみましょう!
花をお酒に添えるって絵的にエレガントですよねぇ(笑)
まとめ
ご覧の通り、ボリジはマッサージから食用まで様々なシーンで活躍するハーブですね。
特に砂糖漬けのアレンジについては書きながらにイメージが膨らんじゃって、これは是非試してみたいと思いました。
スキンケアと癒しの力を持つボリジ、皆さんなりの形でアレンジしてみてはいかがでしょうか?
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