西洋に伝わる冬の風物詩であるフルーツポマンダー。現在では日本でも、インテリアやエクステリアとして作られたり、使われることも多くあります。
クローブを使ったフルーツポマンダーには、防虫効果があるともいわれているんですよ。
日本ではあまり聞きなれないフルーツポマンダーについて、今回は、いったいどのようなものなのか防虫効果のあるフルーツポマンダーの作り方、またカビさせないコツについてご紹介します。
フルーツポマンダーとは
「ポマンダー」とはpomme(りんご)とambre(琥珀色の、上質の香料であるリュウゼンコウの香り)という単語からつくられている言葉です。
昔は、ハーブのブーケ(タッジーマッジ―)と同じように、魔除けや病気予防のためのお守りとして作ったり飾ったりされていました。
昔は、練り香をいれ金銀で作られたポマンダーを首や腰から下げて、流行病や嫌な臭いから身を守っていたと考えられます。そのポマンダーを果物で作ったものがフルーツポマンダーというものです。
リンゴやオレンジ、レモンなどのフルーツに、殺菌・抗菌効果の高いクローブなどのスパイスを挿し乾燥させたもののことを指しています。
フルーツをそのまま放っておくと腐ってしまうと考えるかもしれませんが、スパイスの成分が細菌を寄せ付けないため、果物がきちんと乾燥しドライフルーツ状態になります。
カビさえ生えなければ、そのまま何年も飾ることができますよ。
防虫効果のあるオレンジポマンダーの作り方!
ここで、防虫効果のあるオレンジポマンダーの作り方をご紹介します。
用意するものはオレンジ1個、クローブ30~50g、スパイスの粉小さじ2~3、リボンなど1本、竹串1本です。スパイスの粉はシナモン、オールスパイス、オリスルート、カルダモンなどの粉末を2種類以上ブレンドするのがおすすめです。
まず、竹串でオレンジに穴をあけます。穴の数はどのくらいでもよいのですが、クローブが重ならないような間隔で開けると良いでしょう。穴の深さはクローブの下の部分(蕾より下の細長い部分)がすべて入る程度の深さにします。
オレンジの果汁がこぼれるので、ティッシュやタオルを敷いて穴をあけるようにしましょう。
穴をあけ終わったら、穴を開けたところにクローブを挿していきます。オレンジの皮の部分だけではなく果実まで刺さっていることを確認しながらおこないましょう。クローブとクローブの間隔があきすぎないようにするとよですよ。理想は4mm間隔です。
そして、紙袋かビニール袋にスパイスの粉を入れてオレンジを転がし、表面にスパイスの粉をしっかりとまぶします。乱暴にしてしまうとクローブのつぼみが取れるので注意しましょう。
まぶしたらオレンジを取り出して乾燥させます。スパイスを少し入れた紙袋にオレンジを入れて置いておくか、流し台のごみパックのようなものに入れてつるして乾燥させるのが良いですね。スパイスを少し入れたお皿に乗せておいて、たまに転がしながら乾燥させるのもよいですよ。
オレンジを乾燥させるときは、直射日光の当たらない風通しのよい場所に置くようにしましょう。湿気があるとカビてしまうこともあるので気を付けましょう。1~2か月経ってからオレンジを持ってみて、軽くなり皮が固くなっていれば完成です。
リボンをまく場合は最後にまきますが、最初の穴をあける工程でオレンジにマスキングテープを貼っておき、そこには穴をあけないでおくとよいでしょう。スパイスをまぶす前にはがして乾燥したらそこにリボンを巻けば完成です。
フルーツポマンダーをカビさせないコツは?
フルーツポマンダーは生のフルーツを使っているため、カビてしまうこともありますが、カビさせないためにはどのようにすればよいのでしょうか。
フルーツポマンダーをカビさせないためには秋の10月頃に作るのがおすすめです。生のフルーツを使うので、高温多湿の時期に作ってしまうとカビが発生しやすくなってしまいます。
空気が乾燥し寒くなる秋から冬に作ると、高温多湿になりにくいのでおすすめです。
また、クローブを挿していくときにクローブをできるだけ密集させて挿すと、細菌が寄り付きにくくなるのでカビにくくなります。
乾燥させるときには、風通しの良いところに干すようにし、長雨が続きそうなときには室内に入れて濡れないように乾燥させることで、カビにくくなります。
\フルーツポマンダーの香りを楽しむ/
まとめ
フルーツポマンダーの作り方やカビにくいコツなどを見てきましたが、いかがだったでしょうか。
もとはお守りや魔除けとして使われてきたフルーツポマンダーですが、現在ではインテリアやエクステリアとして飾られることも多くあります。
クローブを使うことで防虫効果も期待できます。乾燥させて乾くまでの時間はかかりますが、一度作るとカビさえ生えなければ何年も飾ることができます。ぜひ一度、フルーツポマンダーを作ってみるのはいかがでしょうか。