亀甲竜(キッコウリュウ)という植物はご存知ですか?
根元の膨らんでいる部分が亀の甲羅のようにひび割れた模様になる、多肉植物の中の一つです。最近は日本でも、その珍しい姿から人気のある亀甲竜ですが、亀甲竜にはどのような種類があるのでしょうか。
今回は、亀甲竜とはどのような植物なのか、亀甲竜の人気の種類であるメキシコ亀甲竜とアフリカ亀甲竜の特徴について詳しくご紹介していこうと思います。
亀甲竜(キッコウリュウ)とは?
亀甲竜(キッコウリュウ)とはどのような植物なのでしょうか。
亀甲竜は、ヤマノイモ科ディオスコレア属に属し、根の部分が塊根状の多年草です。塊根状とは、根が水や養分を蓄えて大きくなり、かたまりのようになっていることを指します。
ディオスコレア属に属しているため、メキシコが原産のメキシコ亀甲竜を「ディオスコレア・マクロスタチア」また南アフリカ原産のアフリカ亀甲竜を「ディオスコレア・エレファンティス」とも呼ばれます。
塊根状の根の部分は、年数が経つにつれて亀の甲羅のような亀裂ができてきます。亀裂の入り方は株によって様々で、浅く規則的な模様のようなものや、隆起していてごつごつしたものなどがあります。
これらは、育つ環境や栽培方法によって左右されるのではなく、遺伝子レベルで決まっています。
多肉植物の中でも、亀甲竜はゆっくりと成長するのが特徴です。生育方法や環境によって少しずつ異なってきますが、塊根の部分が2年で約2cmほどにしか成長しない場合もあるようです。
じっくりと時間をかけて、育つのをゆっくりと楽しむ植物とも言えます。
亀甲竜の株は大きくなると、てっぺん付近から茎をのばしハート形の葉を付けます。その後、直径5mmほどのクリーム色の花を10~15個ほど、房状に咲かせます。花はお菓子のような甘い香りがします。
また、亀甲竜は雄と雌が別の株になる植物です。雄株のほうが数が多く、雌株は非常に少ない確率でしか存在しません。割合は雄株:雌株が30:1ともいわれています。
花以外の外見では雄株と雌株どちらなのかはわからず、花が咲いてやっと確認することができます。
亀甲竜の耐寒温度は平均して5℃くらいと言われています。気温が5℃以下になる場合は室内や暖かい場所での管理が必要です。
また、水やりの時など塊根部分の亀裂に水がたまると腐る原因にもなるため、水やりにも少しコツがいる植物かもしれません。
亀甲竜は茎をツルのように伸ばしていくので、支柱があると見た目もすっきりと保つことができます。
メキシコ亀甲竜の特徴
メキシコ亀甲竜(ディオスコレア・マクロスタチア)は、原産がメキシコの夏型の亀甲竜です。
アフリカ亀甲竜に比べて、塊根の部分が比較的平べったい形をしています。葉は若干縦に長く先が鋭くなっていて、少し大きめのハート形をしています。
夏の暑い時期になるとツルを盛んに伸ばし成長し、冬になると休眠期に入り成長がストップします。
このため、メキシコ亀甲竜は冬や寒さに弱いといわれることもあります。しかし、冬を迎える前に葉が茶色になって枯れたようになったり、葉を落としたりするのは休眠期への準備であって枯れているわけではありません。
日本の気候だと、葉が落ちるはずの冬でも葉を落とさないこともあります。葉を落とさないどころか、冬でも葉をわさわさと茂らせていることもあるようです。
生育環境などによってもだいぶ差の出る植物と言えます。
アフリカ亀甲竜の特徴
南アフリカ原産のアフリカ亀甲竜(ディオスコレア・エレファンティス)は、涼しい秋~春に成長し、春~夏ごろに休眠期に入る冬型の亀甲竜です。
メキシコ亀甲竜に比べて、塊根の部分がおまんじゅうのように丸い形をしています。年数が経つと、亀裂が深く大きな隆起が起き、ボコボコの見た目になります。葉はアフリカ亀甲竜のほうが小さく丸っぽいフォルムのハート形です。
冬型の亀甲竜ではありますが、冬でも霜や雪の当たるところに置いたり、凍結させてしまうと塊根が腐ってしまったり枯れてしまうことがあります。
耐寒温度は5℃ほどなので5℃を下回る気温になるようなら、冬型のアフリカ亀甲竜といえども室内などの温かい場所で管理しましょう。
夏の高温になる時期には休眠するので、梅雨入りのころから水やりを控えて休眠中は完全に断水するという育て方が基本です。
まとめ
亀甲竜とメキシコ亀甲竜、アフリカ亀甲竜の特徴について詳しく見てきましたがいかがでしたでしょうか。
同じ亀甲竜でもメキシコ亀甲竜とアフリカ亀甲竜では、生育時期が真逆なのですね。また、見た目も少し違い、ゴツゴツと隆起していてやや丸いふぉるものものはアフリカ亀甲竜、やや平べったく浅い亀裂のものがメキシコ亀甲竜ということがわかりました。
また、葉の形も若干違い見分けるポイントになりますね。
生育時期や見た目の違いなどで、ご自分に合った亀甲竜をぜひ選んでみるのはいかがでしょうか。