ハーブの中でもフレッシュで強い香りを持つことで有名なローズマリー。
ローズマリーの歴史は古く、古代ローマ時代から民衆の間で「復活の象徴」として崇められ、祭祀や葬儀など宗教的儀式の装飾品等に使われてきました。
勿論、現代においてもその用途は多岐に渡る、人気の高いハーブの一つです。
今回の記事では、日常に役立つローズマリーの使い方や、ローズマリーの持つ美肌効果(女性必見!)に着目した、化粧水の簡単な作り方などを紹介していきたいと思います。
ローズマリーの使い方
ローズマリーの様々な使い方について、ご紹介します。
料理の香り付けに
お洒落な洋食屋さんを訪れると時々料理にローズマリーの葉や茎が添えられていることがあります。
ローズマリーの原産国である地中海沿岸諸国(モロッコ、チュニジア、フランス、スペイン)では伝統的に収穫した肉や魚などの臭みを消すアイテムとしてローズマリーが重用されてたそうです。
臭みをとるのみならず、料理にローズマリー特有のフレッシュな香りが付け足されることで、料理の風味が広がるので、この足し算は人気を博しています。
私もアマトリチャーナなどのトマトソースを使ったパスタを作る際にローズマリーを足します。
最初にオリーブオイルとニンニクを炒める時点でローズマリーを加えトマトピューレを入れる前に抜けば、程よく香りがつくのでオススメです。
一方で、アラビアータやペペロンチーノなど唐辛子の風味を出したパスタの場合は、ローズマリーの清々しさが逆に唐辛子の辛みを促進しかねないので要注意です。
筋肉痛の緩和、ハーブバスに
ローズマリーには血行を促し、代謝を上げる力があります。
結果、筋肉痛や肩凝りなどを緩和させる働きがあるのです。特に、バスタブにローズマリー(きちんと洗いましょう)を入れるとその効果を効率よく得られます。
また、ローズマリーには肌の皮脂バランスを調整する作用もあるので、ヘアケアにも有効です。
ローズマリーのエッセンシャルオイルをシャンプーに加え、マッサージすることでヘアケアに繋がるというわけです。ここでも血行促進の効能を発揮するため、抜け毛や白髪などの対策にも有効です。
虫除けにも効果的
夏になると大変なのが住居に侵入してくる無数の虫たち。子供は大はしゃぎながらも大人としては文字通り「招かれざる客」です。
毎年、虫に悩まされている方は是非ローズマリーを活用してみてください。
ローズマリーには防虫の効果があるとされており、クローゼットの防虫剤などあらゆるシーンで使われてきました。
本来、虫除けをする場合はローズマリーの小枝や葉を焚くのがセオリーのようですが、現代社会ではおいそれと建物の前で火を起こせないもの・・・。
そんな時は、ローズマリーのエッセンシャルオイルを使って、ディフューザーで香りを拡げたり、ローズマリー精油を使ったスプレーを吹きかけると効果的です。
精油を使ったスプレーの作り方は以下の通りです。
材料
- ローズマリー精油 12滴(うち、4滴ほどシトロネラ精油を使ってもOK。)
- 精製水 20ml
- 無水エタノール 5ml
- 遮光瓶スプレー 1本
- 精油と無水エタノールを一緒に遮光瓶スプレーに入れて軽く振って馴染ませる。
- 精製水を加えてよく振ってあげたら完成。
お肌にもいい?化粧水の簡単な作り方
またその他にもローズマリーには肌を美しく若返らせるアンチエイジング効果が極めて高いとされています。
その効果の程を端的に表すエピソードとしてこのような歴史的事実があります。
14世紀、東欧ハンガリーのエリザベート王妃は70歳という高齢を迎え、リウマチに悩まされていました。
そんな王妃の治癒を願ってイタリア修道院から、ローズマリーをアルコール漬けにし、蒸留したものが献上されました。
その蒸留水を気に入った王妃はそれを体に塗ったり、飲用水として飲んだりしていたそうです。するとみるみるうちに肌ツヤがではじめ、リウマチも改善されていきます。
蒸留水のおかげもあって、若々しさを取り戻した王妃は72歳の時、隣国ポーランドの王子(当時20歳)にプロポーズされるという、某・愛の伝道師も驚愕のあまり思わず靴下を履いてしまいそうなほどの年の差恋愛を打ち立ててしまったのです。(まあ、王妃なので成就するはずもないのですが・・・笑)
王妃の使った蒸留水は、後世になって「ハンガリー王妃の水」として民衆に広がり、現代では「ハンガリアンウォーター」として広く認識されています。
さて、そんなハンガリアンウォーターを自宅で簡単に作れたら良くないですか?
ここまで、勿体ぶらせておいて紹介しないわけがないでしょう!(笑)
ハンガリアンウォーターの作り方
さぁ必見!若返りの水、「ハンガリアンウォーター」のレシピです
材料
ドライハーブ
- ローズマリー 10g
- ペパーミント 10g
- オレンジピール 5g
- ラベンダー(お好み)5g
その他の材料
- 精製水 200ml
- 無水エタノール 100ml
(飲用の場合は精製水、エタノールの代わりにウォッカを300ml入れる。) - 遮光瓶
一次保存容器(遮光性のあるもの。)
作り方
- 煮沸消毒をした保存容器にハーブを全て入れます。
- ハーブ全体が浸かるまで精製水とエタノールを入れます。
- よく振って馴染ませてから約1カ月程度冷暗所にて保存してください。この間もハーブが乾燥しないように時々容器を振ってください。
- 約1カ月後、水分を濾して遮光瓶に移したら出来上がりです。
材料のハーブはなるべく手に入りやすいものを選択しました。
しかし、最近では、「ハンガリアンウォーター用ハーブセット」という形でクラフト専用にセット販売されています。初めのうちはこういったアイテムに頼りながら製作工程を覚えていくのも良いでしょう。
まとめ
ローズマリーはどうしても香りの印象が強くなりがちで、それが心や体に与える作用の程については植物の知名度の割に広まってない……というのが私から見たローズマリーという植物に対する印象です。
しかし、このハーブが持つ歴史的エピソードを紐解けば、その使い道は豊富そのもの。
そしてそれは現代の生活様式においても変わりません。
古くから受け継がれた植物を現代的解釈で健康や生活に役立てていく……それもハーブの楽しみ方の一つと言えるでしょうね。
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