スターアニスは中華料理の豚肉や鶏肉料理などに、臭みけしの香辛料としてよく使われているスパイスです。
日本ではあまりなじみのないスパイスかもしれませんが、星形をしていて見た目も可愛らしいスパイスです。
スターアニスは八角と呼ばれることもあるようですが、同じ物を指しているのでしょうか。
この記事では、スターアニスと八角の違いについて、またタミフルの原料というのは本当なのか、そしてスターアニスの名前の意味についてご紹介していこうと思います。
スターアニスと八角の違いはある?
スターアニスと八角、言い方が違うこの二つですが、結論から言うと同じ物を指しています。
八角は、中国で古くから用いられてきた、マツブサ科シキミ属の「トウシキミ」という常緑高木の果実を乾燥させた香辛料です。
実の形は8つの角をもつ星形をしていて、四川料理などの中華料理でよく用いられる、独特の強くて甘い香りが特徴のスパイスです。
香りの主成分は「アネトール」で、アニスシードやフェンネルシードの香りの主成分と同じです。
クローブやシナモン、フェンネルシード、花山椒などとともにミックススパイス「五香粉(ウーシェンフェン)」の原料の一つとしても使われています。
八角は、消化器系の調子を整えたり、女性特有の症状への効果やストレスを緩和する効果などもあります。また、風邪に効く漢方薬として使われることもあるようです。
スターアニスというのは、八角の英語名です。アルファベットのつづりではstar aniseと書きます。
星形であることと、ハーブの一種であるアニスと似た香りを持つことから名づけられました。アニスよりも安く手に入るため、アニスの代用品として用いられることもあります。
日本では、ピクルス、シチュー、ポトフ、クッキー、ジャムなどにスターアニスの呼称で用いられることが多くあります。
肉料理の下味に用いて臭みをとるのにつかわれたり、クッキーなどに粉末にして入れて食べたりなどいろいろな使い方があります。
タミフルの原料ってホント?
スターアニスはタミフルの原料として使われている、ということを聞くこともあるかもしれませんが本当なのでしょうか。
まず、タミフルとはスイスの大手製薬会社が製造している抗インフルエンザウイルス薬のことです。
タミフルはスターアニスを原料に、シキミ酸という成分から10回の化学反応を経て生産されています。
ですから、スターアニスがタミフルの原料であるというのは本当のことです。しかし、スターアニスそのものに効果があるわけではなく、あくまでも「シキミ酸を化学反応させたもの」がインフルエンザに有効であるということです。
スターアニスを食べていればインフルエンザにかからないというわけではなく、また、薬のタミフルと同じ効力を持っているわけではありませんが、抗ウイルス作用があるのは確かです。
風邪に効く漢方としてスターアニス(八角)を使うこともあるようなので、身体によく健康を維持するのには役に立つといえます。
スターアニスの名前の由来も
スターアニス(star anise)は星形の形をしていることと、ハーブの一種で、セリ科ミツバグサ属の一年草であるアニスと似た香りがすることから、名づけられました。
スターアニスはトウシキミという木の実を乾燥させたものですが、トウシキミの正式名称はlllicium verumというものです。llliciumというのはラテン語のillicioという言葉に由来していて、これは「誘惑」という意味があるようです。
スターアニスの独特で強く甘い香りからも想像しやすい意味合いかもしれませんね。
インドやパキスタンなど、またペルシャ語ではbadiyanと呼ばれていて、また中国では八角、ダイウイキョウ、ハッカクウイキョウなどと呼ばれています。
日本ではスターアニスと似ている果実で「シキミ」という植物がありますが、「シキミ」はツンとした芳香を放ち、有害成分であるアニサチンを含み、食べてしまうと下痢や嘔吐、最悪の場合死に至ることもあるので、スターアニスと間違って食べたりすることのないように注意しましょう。
まとめ
スターアニスと八角は呼び方が違うだけで、同じ物を指しています。他にもダイウイキョウやハッカクウイキョウという呼び方もあります。
中華料理では欠かすことのできない香辛料で、独特な強く甘い香りがします。日本でもシチューやポトフなどの料理でスターアニスという名前で使われていることもあります。
抗インフルエンザウイルス薬の原料としても使われているスターアニスですが、スターアニスそのものに抗インフルエンザの効果があるわけではありません。
とはいえ、スターアニスは抗ウイルス作用や消化器系の調子を整える働きなど体によい作用があるため、健康を維持するのには役に立ちます。
気になった方は、ぜひ購入して毎日の料理に取り入れてみるのもよいかもしれませんね。