ヘリクリサム(帝王貝細工)という花は知っていますか。大輪の鮮やかな花が咲き、乾燥させても形があまり変わらないことから、ドライフラワーとしての人気が高い植物です。
また、カレーのような香りがすることから「カレーの木」と呼ばれることもあるようですが、このヘリクリサムを自分の家で育てる上でコツなどはあるのでしょうか。
色鮮やかなヘリクリサムを育ててみたいというあなたに、分かりやすく育て方や増やし方などをご紹介したいと思います。
ヘリクリサムとは
まずは、ヘリクリサム(帝王貝細工)とはどのような植物なのか見ていきたいと思います。
ヘリクリサム(帝王貝細工)という名前は2つのギリシャ語である「Helios(太陽)」と「Chrysos(黄金)」が語源となりつけられました。
そのヘリクリサム(帝王貝細工)とはキク科・ムギワラギク属に分類される植物の総称のことで、ヘリクリサムの中には500種類ほどが分類されています。
その中でもオーストラリアや南アフリカ原産の種類が多く、固く直立した茎が高さ50cm~100cmほどにまで伸びます。
夏になると赤やピンク、橙、黄、白などの色鮮やかな花が茎の先端に直径6cmほどの大きさで咲きます。
本来ヘリクリサムは低木のようになる多年草ですが、寒さや高温多湿に弱いため園芸上では一年草として扱われています。
頂部の総苞片(そうほうへん)と呼ばれる花のつぼみを包んでいた葉が魚のうろこのようになっていて、薄く花弁のように見えるのが特徴的です。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方
ヘリクリサム(帝王貝細工)の種まきは、基本的には春におこないます。
しかし、暖かい地域では秋まきで育てることも可能です。秋まきだと開花の時期が早くなり、しっかりと根が張るため倒れにくいというメリットがあります。
育苗用トレーなどに清潔な土を入れ、ヘリクリサムの種が重ならないようにバラまきをします。2mmほど土をかぶせてたっぷりと水やりをしましょう。
発芽適温は20℃ほどなので、夜冷え込むときなどは室内で管理すると発芽しやすくなります。
本葉が2~3枚ほどになったら鉢やプランター、または庭に植え付けます。
鉢植えの場合は土は市販の培養土で良いでしょう。地植えにする場合は、植え付けの1週間ほど前に堆肥と苦土石灰を混ぜ込んであげるようにしましょう。
また、株と株の間は20~30cmほど開けて植えるのが理想です。大きなコンテナであれば3~5株、15cm鉢であれば1株が標準です。
日当たりと風通しの良いところで管理して、徒長してひょろひょろになってしまわないように気をつけましょう。
植え付けをおこなってから2週間ほどは水やりをおこないますが、外で管理する場合はそのあとは降雨だけで十分です。水をあげすぎてしまうと根腐れなどの原因にもなりますので気を付けましょう。
地植えや鉢植えでの増やし方
5月~7月上旬にヘリクリサム(帝王貝細工)は挿し木をして増やすことができます。
まず、茎の先端から8~10cmほどのところで茎を切ります。葉は2~3枚残し下の方の葉はすべて取ってしまいます。
赤玉土(小粒)に切り口を挿し日陰の涼しい場所で、土が乾燥しないように水やりをおこないながら管理します。
根が十分に生えてきて新芽が出ていたら植え替えをします。
鉢植えにするときは、赤玉土:腐葉土を7:3の割合で混ぜたものを、地植えにするときは、1平方メートルに対して苦土石灰100g、堆肥3kg、有機配合肥料50gをすきこんでおくとヘリクリサムの好む土になります。
剪定や切り戻しの方法も
大輪の花が咲き終わって株の形が悪くなってきたら、切り戻しをおこなうようにしましょう。切り戻しをおこなうことで、脇芽が増えてもう一度花が咲く確率がアップします。
切り戻しの方法は、地表から10~15cm位を残して切る方法が一般的です。この時、葉が残るように切るのがポイントです。
そこまで切り戻すのは怖いなという場合は、花が咲いていたところから何センチか下の部分を切るだけでも効果があります。
また、休眠期から目覚める前の冬から春になるころに、形を整えて風通しを良くし高温多湿の対策のために剪定をおこないましょう。
剪定をするときは、徒長してひょろひょろと伸びてしまった枝、株元から出ている細い枝、内向きの枝などをメインに切っていくのがポイントです。
徒長してしまった枝などは、3分の1ほどの長さに切ってしまいましょう。
まとめ
ヘリクリサム(帝王貝細工)には500種ほどが分類されていますが、育て方はほとんど同じです。
多年草なのですが、高温多湿や寒さに弱いため一年草として扱うのがいいでしょう。夏に咲く大輪の花が咲き終わった後は、その変色した花をつみとると次の花が咲きやすくなります。
脇芽を増やすために、咲き終わった花の数センチ下のところからカットするといいですね。
また、咲いている間に収穫してドライフラワーとしても楽しむことができます。乾燥しても花の色があまり変わらずきれいなままですので、ぜひヘリクリサムを育てて楽しんでみてください。